パスワードを安全に管理する方法|忘れない・使い回さないためのやさしい基本
メール、ネットショッピング、銀行のアプリ、病院の予約サイト。
今は、何をするにもパスワードが必要ですよね。
お母さんに「この前のパスワードを入れてみて」と言うと、「どこに書いたかな」「たぶん、いつもの数字だったと思う」と手が止まることがあります。
たくさん覚えるのは大変だから、全部同じにしたくなる気持ちもよく分かります。
でも、同じパスワードを使い続けると、一つ知られただけで、ほかのサービスまで開けられてしまうことがあります。
今日は、難しい仕組みの話ではなく、忘れにくくて、安全に続けやすいパスワード管理を一緒に見ていきましょう。
パスワード管理|今日のレッスン
今日のレッスンは、次の4つです。
同じパスワードを使い回さない理由
推測されにくいパスワードの考え方
紙・ブラウザー・アプリの使い分け
二段階認証で安全性を高める方法
「全部違うパスワードなんて、覚えられないよ」と思いますよね。
でも、全部を暗記しなくても大丈夫です。
大切なのは、同じものを使い回さず、必要なときに安全に確認できるようにしておくことです。
パスワードの使い回しが危ない理由
同じパスワードを複数のサービスで使うことを、パスワードの使い回しといいます。
たとえば、買い物サイトとメールで同じパスワードを使っていたとします。
もし買い物サイトからパスワードが漏れてしまうと、その情報を使ってメールにもログインされるかもしれません。
これは、玄関も車も金庫も、全部同じ鍵で開くようなものです。
一つの鍵をなくすだけで、全部が危なくなってしまいます。
特に気をつけたいのが、メールのパスワードです。
多くのサービスでは、パスワードを忘れたときの再設定案内がメールに届きます。つまり、メールを開かれると、ほかのサービスまで乗っ取られるきっかけになることがあります。
まずは次のような大切なサービスだけでも、別々のパスワードにしておきましょう。
メール
ネット銀行や証券口座
クレジットカード関連
Amazonなどの買い物サイト
SNS
安全なパスワードの作り方
安全なパスワードは、短くて単純なものを避けるのが基本です。
誕生日、電話番号、名前、「123456」「password」などは覚えやすいですが、他人にも推測されやすい組み合わせです。
できるだけ長くし、使える場合は英字の大文字と小文字、数字、記号を組み合わせましょう。
ただし、毎回ほとんど同じ形にするのはおすすめできません。
たとえば、サービス名の後ろに同じ数字を付けるだけだと、一つ分かればほかのパスワードも予想されやすくなります。
自分で考えるのが難しいときは、ブラウザーやパスワード管理アプリにある「自動生成」を使う方法もあります。
自動生成とは、機械が推測されにくい文字の組み合わせを作ってくれる機能です。
長くて覚えにくく見えても、あとで安全に呼び出せるように保存しておけば問題ありません。
パスワードを忘れないための現実的な管理方法
「違うパスワードにしたら、すぐ忘れそう」
そう感じるなら、無理に全部覚えようとしなくて大丈夫です。
デジタル操作にまだ慣れていない場合は、パスワード専用のノートを使う方法もあります。
ノートには、サービス名、登録したメールアドレス、パスワードを書いておきます。
ただし、銀行のカードやスマートフォンと一緒に持ち歩くのは避けましょう。自宅の決まった場所に保管し、誰でも見られる机の上には置かないようにします。
「紙に書くのは危ない」と聞くこともありますが、紙そのものが問題なのではありません。
大事なのは、どこに置くか、誰が見られる状態かです。
パソコンの横に付箋で貼るのは、すぐ見つけられる反面、ほかの人にもすぐ見えてしまうのでやめておきましょう。
ブラウザーやパスワード管理アプリを使う方法
ChromeやEdgeなどのブラウザーには、パスワードを保存する機能があります。
ブラウザーとは、インターネットを見るために使うアプリのことです。
自分だけが使うパソコンで、Windowsのログイン用パスワードや画面ロックを設定しているなら、便利な方法の一つです。
一方で、家族や職場で共用しているパソコンには、保存しないほうが安心です。
もう少し慣れてきたら、パスワード管理アプリを使う方法もあります。
これは、たくさんのパスワードをまとめて保管する、鍵付きのノートのようなものです。
そのアプリを開くための一番大切なパスワードを、マスターパスワードといいます。
少し難しい言葉ですが、簡単に言えば「全部のパスワードを守る親鍵」です。
この親鍵だけは、忘れないようにして、ほかの人には教えません。
パスワード管理アプリには、長いパスワードを自動で入力してくれる機能もあります。毎回手で打たなくてよいので、使い回しを減らしやすくなります。
ただ、使い方が不安なら、最初から無理にアプリへ変えなくても大丈夫です。
まずは紙で整理し、慣れてからブラウザーやアプリへ移しても遅くありません。
二段階認証でパスワードをさらに守る
メールやネット銀行など、大切なサービスでは二段階認証も設定しておくと安心です。
二段階認証とは、パスワードを入力したあと、スマートフォンに届く番号などでもう一度本人確認をする仕組みです。
家の鍵を開けたあと、さらに本人確認をするようなものだと思ってください。
少し手間は増えますが、万が一パスワードを知られても、不正ログインを防ぎやすくなります。
スマートフォンに届いた確認番号は、誰にも教えないでください。
銀行や会社を名乗る電話でも、「今届いた番号を教えてください」と言われたら、いったん電話を切りましょう。
確認番号は、本人だけが使うための大切な数字です。
パスワード管理で避けたいこと
次のような管理は、できるだけ避けましょう。
いくつものサービスで同じパスワードを使う
誕生日や電話番号だけで作る
パソコンの横に付箋で貼る
メールやメッセージでそのまま送る
家族全員で同じアカウントを使う
知らない相手に確認番号を教える
また、理由もないのに毎月パスワードを変更する必要はありません。
使い回していない長めのパスワードを使い、安全に保管できているなら、そのまま使うほうが分かりやすい場合もあります。
ただし、不審なログイン通知が届いたときや、サービスから情報漏えいのお知らせがあったときは、早めに変更しましょう。
パスワード管理についてよくある質問
パスワードを忘れたらどうすればいいですか?
ログイン画面にある「パスワードを忘れた方」や「パスワードを再設定」を選びます。
登録したメールアドレスや電話番号を使って本人確認をしたあと、新しいパスワードを設定できます。
分からないまま何度も入力すると、一時的にログインできなくなることがあります。思い出せないときは、無理に試し続けず、再設定を使いましょう。
家族にパスワードを教えてもいいですか?
基本的には、本人だけで管理するのが安心です。
ただ、緊急時に備えて家族にも分かるようにしたい場合は、メッセージでそのまま送るのではなく、保管場所や確認方法を家族で決めておくとよいでしょう。
パスワードは定期的に変えたほうがいいですか?
安全なパスワードをサービスごとに使い分けているなら、理由もなく何度も変更する必要はありません。
漏えいのお知らせ、不審なログイン、身に覚えのない利用があった場合は、すぐに変えてください。
「パスワードを保存しますか?」と表示されたらどうすればいいですか?
自分専用のパソコンやスマートフォンなら、保存してもよいでしょう。
共用の端末や、ホテル・図書館などのパソコンでは保存せず、使い終わったら必ずログアウトします。
パスワード管理|今日のまとめ
パスワード管理で大切なのは、全部を暗記することではありません。
サービスごとに違うパスワードを使い、安全な場所に保管して、必要なときに確認できるようにしておくことです。
最初から全部を変えようとすると大変なので、まずはメール、ネット銀行、買い物サイトなど、特に重要なアカウントから始めましょう。
紙のノート、ブラウザー、パスワード管理アプリのどれを使う場合でも、ほかの人から簡単に見られないようにすることが基本です。
少しずつ整えていけば、それで十分です。
今日覚えておきたい一つ
同じパスワードを使い回さず、大切なサービスから一つずつ別のパスワードに変えましょう。


